4月12日
ヴォイスギャラリーにて
池上良子さんの「遺伝子/体毛」展を
見ました。
ギャラリーの部屋の中に
またもう一つの部屋がつくられており
入り口には「ACTG」の文字。
中に入ると
「A」「C」「T」「G」の文字がさまざまな配列で
ずらーーっっっと壁をうめつくしています。
そして丸められた体毛。
ゆっくりとしたリズムで聞こえてくる和音。
とても整然とした空間にひとりで立ってみて
なんだか不思議な気分になりました。
ぼんやり作品を堪能したあたりで
作家さんご本人さん発見!
いろいろ聞かせていただきました。
池上さんは医療関係のお仕事をされているそうで
「遺伝子」などの身体をつくっているものを
データとして把握するという現場に
近いところにいらっしゃるそうです。
「A」「C」「T」「G」の壁に印された記号たちは
「体毛をカタチ作る遺伝子」「体毛の色をカタチ作る遺伝子」・・・
の配列なのだそう。
そしてそこに流れていた音は
その配列どおりに記号をコードとして読みとり
ピアノでひいたものなのだそうです。
自分の体毛がこんな風な記号の配列で表現できるなんて
普段考えませんよね。
そしてそれを読むことでこんな音を奏でるなんてね。
「なんだか不思議な気分」になったのは
自分の中にあるもの、の中に自分が入って
美しく整然とした記号となって現れたその遺伝子が、
自分と深く関わっているようでいて
とても遠くにあるようでいて・・・
作品として表現された記号と自分自身の中にあるものとの距離感が
はっきりしないところでうろうろ動いているような
そんな感覚がしたからかもしれません。
身体に関する表現って
自分と照らし合わせながら
いろいろ感じられるので面白いですね。
定期的に個展をされているとのことなので
次回もぜひ見させていただきたく思いました。