ここ数日、ニュースでよく
「食材の偽装表示」の話題が取り上げられている。
「そんなの前からあるでしょ?」とは思うものの、
いわゆる「信用」をウリにしてきたような
百貨店やらホテルやらが偽装していたということで
話が盛り上がっているようだ。
「車エビ」と表示したのが「ブラックタイガー」だったとか。
「ステーキ」と表示したのが「加工肉」だったとか。
「○○産」と表示したのが産地ちがっただとか。
なかなかね、せこいです(笑)
一皿100円の回転寿しで「天然真鯛」と書かれていて
「ティラピア」だったとしても、
まぁしょうがないと思うでしょう。
「カニカマ」に蟹が入っていないと怒る人もそんなにいないでしょうし、
「ししゃも」と書かれた「キャペリン」も、もうすっかり定番です。
でもね、百貨店やらホテルやらはアカンよね。
ばれる嘘ついたら。
売っているそのものよりも、
「信用」ってものにお金払っているようなもんなんだから。
「ばれなきゃいいのか?」って話ですが、
私は、ばれなきゃいいと思っている。
「ばれない嘘」をつくには、覚悟がいるからね。
どんなに詳しい人が見てもばれないようにするってことは
ものすごぉぉーーく勉強しなきゃならない。
アレルギーなんかある人が反応してもダメだもんね。
そこの対応もしとかにゃならん。
妙な罪悪感とか感じちゃって、誰かに話しちゃったなんてのもダメ。
誰かに疑われたとしても、怯むことなく、
さわやかに嘘を突き通さなくてはならない。
たとえ死ぬ間際といえども、
嘘でしたなんてことはけして言っちゃならない。
頭脳と技術と努力と強い意志と覚悟をもって、
嘘はつくべきなんだと思うのよ。
最近、努力も覚悟もなく嘘つく人が増えていて
げんなりする。
信じられるものが、ホントになくなってきちゃったね。
信用というものに必要なのは、
「嘘をつかない」ということよりも、
「ガッカリさせない」ということのように思う。
しょーもないばれる嘘ついてガッカリさせるより、
たとえ安い食材を使ったとて、
こんなに美味しくすばらしい料理に仕上がるんだってのを
見せてくれた方がいいんじゃない?
どこに嘘をつく必要があるのよ?
たぶん、百貨店やホテルの方も、
やってくるお客さんを信用していないんだろうね。
「どうせ味なんかわかんないだろう」
「高そうな食材の名前書いとけば、美味しいって言うだろう」
「わかりやすく高いものを入れておかないとお金出さないだろう」
なんてね。
哀しい世の中だわ。
なんだか便利なものが増えちゃって、
技術にお金を払うってことが減ってきたことにも
原因があるのかもしれない。
「みんなそんなに書いてることを信用してるもんなの?」
「そんなみみっちい嘘つかなくていいのにね〜」
なんて、軽く思っていたのだけど、
このお話、
わりと現代ならではのいろーんな問題が混ざり合って
出来上がったものなのかもしれない。
生き方を、考え方を、考え直す時期に来ているのね。