今日は「河井寛次郎」の誕生日です。
河井寛次郎氏、
民芸派の陶芸家さんですね。
陶芸の作品がもっとも有名ですが
他にも彫刻や書、詩や随筆なんかも残されています。
陶芸家、といえば
がっちり師弟関係があって学んで行くという世界でしたが、
河井寛次郎氏は「東京高等工業学校」(今の東工大かな)で
陶芸を学びました。
教育機関で陶芸を学んだ新世代の陶芸家と言われています。
30歳ごろまでに
五代清水六兵衛氏から京都の登窯を譲り受け、
高島屋での展覧会で名声を得、と
順風満帆な作家となっておりました。
しかし、あまりにもとんとん拍子というのも
迷いに通じるようで
自分の制作について悩むようになったのだそうです。
著書の中で
「世界は二つあるんだ」と思ったと書いているようです。
「美を追っかける世界」と「美が追っかける世界」。
見かけの華やかなものだけが美しいのではないと。
無名の作家がつくりだした簡素な美しさというものに惹かれ
これまでの自分の作品を振り返って見ることができたんですね。
その悩み、考えたことが転機となり
柳宗悦氏の民芸運動に参加し、
日用品の美を世に広めることを始めたのだそうです。
とは言いつつも
私が河井寛次郎氏の作品を見るのは
いつも美術館のガラスごし。
京都国立近代美術館や大山崎山荘美術館、
大原美術館でもそうだったかな。
「どんな料理をのせようかな♪」なんて
考えながら見たりはするものの
実際は手の届かないもの。
「日用品の美」をうったえつつも
自らの作品が日用的に使われることなく美術館に納められる。
濱田庄司氏の作品もバーナード・リーチ氏の作品も同じですが
なかなか本当の日用品になりきれないところが
なんとも哀しいところな気もします。
ま、しょうがないんですけど。
一度、河井寛次郎氏の大皿なんかに
ガツンと大盛りパスタなんかをもりつけてみたいものです。
うんうん。
たぶん叶わないけど(笑)
そうそう、
京都の自宅兼仕事場であったところ、
今は河井寛次郎記念館になっているんですよね。
登窯も残っているのだそう。
いつか行ってみなくっちゃ。