今日は「養老孟司」の誕生日です。
養老孟司氏、解剖学者で東京大学名誉教授さん。
「バカの壁」を書いた人、
という方がよく知られているのかもしれませんね。
昆虫採集が趣味、というのも有名です。
世界中を飛び回って
昆虫を集めているそうですよ。
特にゾウリムシに関してはコレクターだとのこと。
箱根に「養老昆虫館」という別荘も建てちゃってます。
著書の中で
「ほんとうは、ムシのことだけ、考えていたい。」
とおっしゃっていたのが印象的です(笑)
去年だったかな?
京都で養老孟司氏の講演があったのを
聴きにいったことがあります。
京都国際マンガミュージアムの初代館長としての講演で
テーマは「マンガの解剖」。
マンガについての話も興味深かったのですが
それに関わる感覚の話や、ちょっとした余談などが
とにかく面白かったという記憶があります。
興味深かったのは「違いをとらえる感覚」のお話。
人間はね、
違うものどうしを「同じ」と設定してイコールで結ぶことで
交換することができるという、高級な脳の機能をもっているとのこと。
「120円」と「缶コーヒー」は別のものだけど「同じ」として
交換できるというのもそのひとつ。
女性の発した高い声の「おはよう」と
男性の発した低い声の「おはよう」は別のものだけど「同じ」として
朝のあいさつだと理解できるのもそのひとつ。
これはとても便利な機能なんだけど、
その機能にたよりすぎて「違いをとらえる感覚」が衰えてしまうと
「なんで私のことをわかってくれないのか」なんて
悩んじゃったりする、というお話。
「違う」ことがあたりまえであり、
わかってもらうには「違い」をちゃんと説明することが必要!なんですね。
この話を聴いて「人間ってよくできてるな〜」と思ったのと同時に、
「違い」があるのに「同じ」を求めてしまったことで
起こっているイヤな事件っていっぱいあるな〜と改めて気づきました。
みんな違うんだってこと、わかっちゃいるけど
なんだか寂しくて同じところをみつけちゃうってのは
よくあることですが
同じを押し付けちゃうのは恐いことなんですよね。
「違い」に気づくこと、「違い」を知ることは
とても大切なこと。
「同じだ」と思い込んじゃった方が楽なことも多いけど
感覚を研ぎすまして「違い」を見るという訓練は
常にしておきたいものだな〜と思いました。
また、養老さんの講演聴きたいな〜。