今日は「桑原史成」の誕生日です。
桑原史成(くわばら しせい)氏、
日本を代表する報道写真家のひとりです。
水俣病による被害者の写真にはじまり、
韓国、ベトナム、ロシアなどを取材した写真で
有名な方です。
島根県には「桑原史成写真美術館」も
あるそうですよ。
私は「桑原史成の写真」として
作品を見に行ったりしたことはありません。
しかし、
小学生のころ、図書館で見た水俣病の写真集、
桑原氏のものだったようです。
小学生のころは「怖いものみたさ」というだけで
見ていたように記憶しています。
とはいえ、幼い頃に見たそういう写真って
けっこう脳裏に焼き付いているものなんですよね。
私にとって
「水俣病」という言葉で浮か映像は
随分前から
彼の撮った写真の少女なのです。
アートとしての写真の存在も大切だと思いますが、
こういう報道写真というものの役割は
本当に大きなものであると思います。
「記録」といってしまえば事務的なイメージもしますが
簡単に撮れる写真じゃないはずなんです。
被害者も、その家族も、
軽々しく撮られることは嫌がるはずですもの。
撮らせてもらえる信頼関係を気づき、
そしてただただ悲惨な風景ではない
人を引き込む写真に作り上げるというのは
かなりの努力が必要だったと思います。
桑原史成氏が初めて熊本県水俣市へ向かったのは
1960年、23歳の時だったそうです。
48年たった今も、何百人もの人が
水俣病の治療を受けられています。
終わった話ではないのです。
エコだ環境だと言っている現在でも
改善されていない環境問題はまだまだあることと思います。
水俣で起こったことは
これから先、自分たちの目の前に起きるという可能性だって
あるのです。
改めて
桑原氏の写真を見たくなりました。
水俣病の写真も、韓国やベトナムの写真も、
人と社会と環境のことを
改めて考えるきっかけをくれることと思います。