3月8日
大阪・アート・カレイドスコープ2008「大阪時間」
へ行ってきました。
「街とアートとのコラボレーションにより、
従時の大阪が宿していた魅力や輝きをよみがえらせ、
未来へとつなげようという試み」
として北川フラム氏のプロデュースによって行なわれる
展覧会です。
大阪の市内各所に点在する展示を
地図を片手にまわっていくというもの。
全てをまわることはできなかったけど
この日は天候もよく
とても気持ちよくまわることができました。
まわったルートは
淀屋橋駅でおりて「芝川ビル」→「大阪ガスビルディング」→
「北野家住宅」→「船場ビルディング」→「綿業会館」
堺筋本町駅から谷町四丁目駅は地下鉄で移動し
「大阪府立現代美術センター」→「難波宮跡史跡公園」
の7ケ所。
ランチ時間も含めて5時間弱くらいだったでしょうか。
とても「イイ意味」での「大阪時間」を楽しむことが
できたと思います。
展示方法も含め、どの作品も面白かったのですが
とくに印象が強かったのは
北野家住宅で展示されていた石塚沙矢香さんの作品。
大阪府立現代美術センターに展示されていた
三島喜美代さんの作品。
同じく大阪府立現代美術センターの
土屋公雄さんの作品。
の3つかな。
〈石塚沙矢香さんの作品〉
北野住宅は焼夷弾を受けながらも
奇跡的に焼け残った築80年の建物。
丁寧な過ごし方をされていたのだな〜という印象の
その住宅へおじゃまし、
おもむきのある階段をのぼった2階の部屋に
作品はありました。
そろばんや升、三味線の撥などの
ずっとそこにいたのであろう道具たちが
それぞれの「ここで過ごした時間」について、
静かに語り合っているような空間でした。
そこにあるべきモノたちを
ありえない状態で見せているのに
とても静かで、やさしい空気をつくりだしている。
美しい作品だったと思います。
〈三島喜美代さんの作品〉
会場に入った瞬間に圧倒されました。
新聞紙の束でできた高い壁が迷路のようにつづいています。
その素材を「石膏かしら?」と思いつつ、
身を縮めながらその壁の間を通りました。
途中、ちょこっと素材に触れて確認(ゴメンなさい)。
中が空洞の軽い樹脂のような素材だとわかり、
ホッとしつつも、
「中身のつまった重い固まりだと思っていた
この『情報の壁』が実はからっぽで軽いもの?」
「内容の見えない大量の情報は
こんなにも圧迫感があるの?」と
なんだか考えさせられました・・・
作品に含まれたメッセージも、その見せ方も、
バランスの良い強さを感じました。
さらに70歳をこえる方の作品だと知って、
そのバイタリティーに驚き、
深さに納得しました。
〈土屋公雄さんの作品〉
パンフの写真にも使われている「時計」を
使用した作品。
とっっってもかっこいい作品でした!
会場の担当の方によると、
ついさっきまで混んでいたというその会場。
運良く観賞者は私と同行者の2人だけ。
会場内で静かに響く時計の進む音を
ゆっくりと堪能するころができました。
1つの固まりとして作品を見ても大変美しく、
空間ごととらえて見ても完成度が高く、
そこに存在する音が
さらに鑑賞者を惹き付ける
とても素敵な作品であったと思います。
見たことのある「時計」でできた
見たことのない空間で
なぜかやさしい雨の音を感じさせるその会場。
1日そこでぼんやり過ごしてみたい気がしました。
3月20日まで開催しています。
関西の方はぜひ、
お散歩がてらまわってみてくださいませ。