今日は「レンブラント・ファン・レイン」の誕生日です。
レンブラント・ファン・レイン氏、
17世紀のオランダ絵画黄金期に活躍した画家さんです。
「巨匠」「17世紀最大の画家」なんて呼ばれる方ですからね。
「レンブラント」という名前は
やはり美術の教科書なんかにもでてたんじゃないでしょうか。
写真をやっている人なら
「レンブラントライト」なんて言葉で
知っているかもしれません。
この「レンブラントライト」、
斜め上方からガツッとライトをあてて
陰影をしっかり出すようなライティングだったと思うのですが、
レンブラント氏の作品を知っている人なら
イメージしやすいですよね。
そう、レンブラント氏の作品は
強い光による明暗対比が
大きな魅力の一つになっているんです。
生涯、自画像を50枚以上も描いたといわれるレンブラント氏、
自画像作品も有名なのですが
やはり、最も有名なのは「夜警」じゃないでしょうか。
「フランス・バニング・コック隊長と
ウィレム・ファン・ラウテンブルフ副隊長の市民隊」
というのが的確なタイトルとのことで
市の警備団の中隊を描いた集団肖像画なのだそうです。
「集団肖像画」ということは、
みんながお金を出し合ってお願いするものなので
ある程度、登場する人たちを平等に描くのが普通なのですが、
レンブラント氏は
出動する瞬間をドラマティックに描いたため
人の腕とかぶって顔がちゃんと見えなかったり、
えらい後ろに追いやられていたりする人もいちゃいます。
「俺の顔、ほとんど見えね〜じゃないかぁぁ!プンプン!」
と依頼者が不満をもらして
レンブラント氏は名声を失った、なんて話もあるようですが
最近ではそれは正確な情報ではないとされています。
物語性の高い作品として
高く評価されていたようです。
しかし、そんなうわさが出るのも
しょうがないかなぁというくらい、
レンブラント氏はこの「夜警」を描いたころから
不幸な人生を歩んで行くことになるんです。
「夜警」を完成した同じ年に最愛の妻サスキアを亡くし、
その後、絵画売買のトラブルや借金、
サスキアの死後に
家政婦さんとして雇った女性との恋愛でのイザコザ、
その上オランダ国の景気の減退や身内の度重なる死etc・・・
名声を得たにもかかわらず、
安らかな日々を送ることはできなかったようなのです。
でもね、生涯、絵を描き続けていたそうですよ。
うーん・・・なんだか悲しいけど・・・
あ、そうそう「夜警」についてもう少し。
この作品、「夜警」なんて日本で呼ばれているもんだから
てっきり夜の光景を描いたものだと思ってしまいますが、
20世紀に入ってから
絵の洗浄作業によって表面のニスを取り除いてみたところ!!
昼を描いたものだということがわかったのだそうです。
ニスが変色して黒ずんじゃってたもんで
夜に見えちゃってたんですね〜
まぁ、「夜警」と言う名ですっかり有名なので
昼であろうが
これからも「夜警」と呼ぶんでしょうけど。
あと、この作品、
左右と上の部分が少し切り取られているそうなんですよね。
「市役所の部屋の二本の柱の間に絵が納まるように」と
切り詰められたという説が有力なのだそうですが・・・
ちょっとがっかりですよね。
左側が多めに切り取られているらしく、
現在センターに立っているふたりは
元々ちょっと右の方に配置されていたようなのです。
うーん、その方が動きのある画面だったかもしれませんよねぇ。
切り取られた部分はすでになくなっちゃってるらしいので
元々レンブラント氏が描いたものというのを
見ることはもうできないんです・・・
しかし
昼が夜になっていても、
構成がかわっちゃっていても評価されているこの「夜警」、
一度見てみたいものです。
あ、そういえばこの間
川村記念美術館でレンブラント氏の作品、見たなぁ。
夫婦の肖像画の旦那さんの方。
アメリカにあるという奥さんの肖像画と
並んで飾られるべきはずだったんでしょうにね。
画家の思うように、
あるべき姿で展示されるということは
なかなか難しいものなのですね。
ホントに。