先日、ヴォイスギャラリーさんに
「遺伝子/体液 池上良子」展を
見に行きました。
昨年4月の旧ヴォイスギャラリーさんでの個展
「遺伝子/体毛」展が面白かったので
今回もぜひ見てみたいと思い
足を運びました。
今回の展示も
前回同様、部屋の中に部屋が作られ、
独自の空間をつくりだしていました。
そこには
色とりどりの液体の入った
いくつものコンドームが
つりさげられています。
ピンク、イエロー、グリーン、白・・・
液体の中で
ぬるりと溶けだし
よどみながら色を発しているのは
「使い古した石鹸」とのこと。
固形の石鹸は
手を洗う時に直接触れるものなので
そこに使った人の体液が
わずかに残るので、
それが生理食塩液の入ったコンドームの中で
静かに溶けだしているわけです。
誰のものか分からない遺伝子が
この部屋の中に
このコンドームの中に
ある・・・ってこと。
それに気づいた時、
なんだか一瞬
背筋が凍ったような気がしました。
この作品、
使用されているものが何なのか
知らずに見ても
充分に美しい作品です。
でも、やっぱり
内容を知ってから見ると・・・
ちょっとドキドキしちゃうんですよね。
温度を感じてきちゃいます。
もしどこかで
なにげなく私が使った石鹸が
この中にあったとしたら・・・
別になにが起こるわけでもないんだけどね。
自分から一旦離れた遺伝子に
時間を経て会いにきた、
といったところでしょうか。
不思議〜〜
自分の「体液」そして「遺伝子」、
あたりまえに自分の中にあるわけですが、
あたりまえのように
忘れています。
意識をそこにもっていく機会って
実はなかなかないんですよね。
そうそう、
前回は「体毛をカタチ作る遺伝子」「体毛の色をカタチ作る遺伝子」の
配列がピアノの音となって流されていたのですが、
今回は「体液をカタチ作る遺伝子」の配列が
日本語となって流されていました。
これまた不思議〜
作品に向き合いながら
自分自身の身体と向き合える
興味深い作品です。
5月31日までですので
興味のある方はぜひ!